プロジェクト

プロジェクトについて

—— 技術継承を、実践のかたちへ

OUGI LAB のプロジェクトは、エンジニアリングの継承というテーマを、思想や議論だけで終わらせず、実際の取り組みとして試していくための試みです。

「オウギラボについて」で語ってきたように、設計や製造の現場には、言葉にされないまま受け継がれてきた判断や思考があります。それらを「大切だ」と語ることと「どうすれば残せるのか?」を具体的に考えることの間には、大きな隔たりがあります。

このプロジェクトは、その隔たりを埋めるための実行の場として、動き始めました。

完成された方法論や、決まった正解があるわけではありません。現場や人によって、最適な形は変わります。
だからこそ OUGI LAB では、小さく試し、記録し、振り返りながら、技術継承のあり方そのものをプロジェクトとして育てていくことを目指しています。

ここで扱われるのは、すでに完成した成果ではなく「どう残すか」を模索している現在進行形の取り組みです。

このプロジェクトが目指すもの

—— 技術を「残せる状態」にするために

OUGI LAB のプロジェクトが目指しているのは、特定の技術やノウハウを保存することではありません。設計や製造の現場で培われてきた判断や思考を、次の世代が「引き継げる状態」にすることです。

多くのエンジニアリングは、属人的な経験として蓄積されてきました。それは決して悪いことではなく、むしろ現場で機能してきたからこそ成立してきた形でもあります。しかしその一方で、引き継ぐ人がいなくなった瞬間に、技術そのものが説明できなくなってしまうという脆さも抱えています。

このプロジェクトでは、そうした言葉になりにくい技術や判断を、無理に一般化したり簡略化したりするのではなく、背景や前提を含めたまま記録し、整理し、共有できる形へと変えていくことを目指しています。

完成された答えを提示することよりも、試行錯誤の過程を残すこと。
うまくいった理由だけでなく、迷いや失敗も含めて共有すること。

OUGI LAB のプロジェクトは、技術を「教える」ためのものではなく、技術がどのように考えられ、どのように選択されてきたのかを、次へ手渡すための取り組みです。

技術を “記録する” という試み

—— 教えるのではなく、残すために

OUGI LAB のプロジェクトでは、技術継承を「教育」や「マニュアル化」とは少し異なる視点で捉えています。何かを分かりやすく教えることよりも、どのように考え、どのように判断してきたのかを、そのままの形で記録することを重視しています。

設計や製造の現場では、判断の多くが前提条件や文脈と結びついています。素材の特性や加工方法、設備の癖や過去の失敗など、それらを切り離してしまうと、本来の意味が失われてしまうことも少なくありません。

このプロジェクトでは、そうした背景を含めたまま、テキストや図解、動画といった複数の手段を用いて技術を記録していくことを想定しています。完成された手順だけを残すのではなく、迷った理由や選択の過程も含めて残すことが、次の世代にとっての手がかりになると考えています。

技術を記録するとは、正解をまとめることではありません。思考の痕跡を残し、あとから辿れる状態をつくることです。OUGI LAB のプロジェクトは、そのための方法を探る試みでもあります。

現在想定しているコンテンツ

—— 技術を多面的に残すための試み

OUGI LAB のプロジェクトでは、技術や設計思想を一つの形式に限定せず、複数のかたちで記録していくことを想定しています。現時点で考えているのは、以下のようなコンテンツです。

  1. 設計や製造の考え方を言葉で整理したテキストコンテンツ
  2. 図面や CAD データを起点にした技術解説
  3. 設計時の判断ポイントや注意点をまとめたチェックリスト
  4. オウギ博士による対話形式の解説や語り
  5. 現場での作業や思考を記録する動画コンテンツ

これらはすべて、完成形として提示するためのものではありません。技術がどのように考えられ、どのように選択されてきたのかを、そのまま残すための手段です。

実際にどの形式が有効かは、扱う技術や関わる人によって変わっていきます。そのため、コンテンツの形も固定せず、試しながら調整していくことを前提としています。

OUGI LAB のプロジェクトは、成果物を量産することよりも、記録の仕方そのものを探ることに重きを置いています。

プロジェクトの進め方

—— 固めすぎず、動かしながら考える

OUGI LAB のプロジェクトは、あらかじめ完成形を定めたうえで進めるものではありません。技術や現場の状況に合わせて、内容や方法を調整しながら進めていくことを前提としています。

まずは小さな単位でテーマを設定し、記録し、公開し、振り返る。その積み重ねの中で、どのような形が有効なのかを見極めていきます。必要に応じて、構成や表現方法を見直し、改善を重ねていきます。

このプロジェクトでは、スピードよりも持続性を重視しています。一時的な成果を出すことよりも、長く続けられる仕組みをつくること。そして、関わる人が無理なく参加できる形を探ることを大切にしています。

OUGI LAB は、完成された答えを示す場ではありません。技術継承という課題に対して、実際に手を動かしながら考え続けるためのプロジェクトです。

このプロジェクトと関わるということ

—— 共につくり、共に残していく

OUGI LAB のプロジェクトは、サービスを提供するためのものではありません。また、完成されたノウハウを一方的に届ける場でもありません。この取り組みは、技術継承というテーマに対して、共に考え、共に試し、共に記録していくためのプロジェクトです。

設計や製造の現場で経験を積んできた方。これから技術を学び、受け継いでいこうとしている方。あるいは、技術を残すという行為そのものに関心を持つ方。

立場や役割は問いません。重要なのは、技術を次につなぐことに価値を感じているかどうかです。

関わり方は一つではありません。アイデアを出すことも、記録に協力することも、対話に参加することも、それぞれがこのプロジェクトを形づくる一部になります。OUGI LAB は、協力者とともに育っていくプロジェクトです。技術を未来へ手渡すための試みを、ここから少しずつ進めていきます。